「なるべくはやく(なるはや)」の指示は困る

曖昧な指示にストレスを感じている。

とくに、具体的な期日を言わず、「なるべくはやく」「なるはやで」といった解釈次第で食い違いが起こるような場合だ。

 

「そっちの都合もわかるけど、こっちの状況を察して優先度上げてね」

ひねくれた見方だが、指示する側のそういった気持ちが透けて見えるようでならない。

相手の裁量で取り組んでもらいたい配慮とも言えるが、以下のように「なるべく」の解釈の幅が広い分、スケジュール管理の精度も落ちる。

なる-べく【(成るべく)】[副]そうすることが可能だという見込みのもと、大きな負担がかからない範囲で、その事態が実現するようつとめる気持ちを表す。できる限り。できることなら。なるたけ。

出所:大修館書店『明鏡国語辞典』(初版)

 

二度手間な質問

個々の時間軸で動いているわけだから、期日を設定しなければ、優先順位が立てにくい。

 

なぜなら緊急度の高いものから取り組む必要があるからだ。

1.重要度「高」/緊急度「高」

2.重要度「低」/緊急度「高」

3.重要度「高」/緊急度「低」

4.重要度「低」/緊急度「低」

 

なによりストレスなのは、「なるはや」の指示に対して、受け手が「いつまでにしたらいいですか?」と質問しなければならないこと。

明らかな二度手間である上、配慮する方向性が逆になっているような気がする。

 

それに質問された方も、「だから『なるべくはやく』だよ」と思っているだろうから気分を害されそうだ。

 

高まる期待感

「なるはや」に対して、丁寧で迅速な対応が続くと、指示した側の期待感が高まる。

「次もやってくれるだろう」と思い込み、それが裏切られると勝手にがっかりされる。

なんとも残念な現象だ。

 

時間のように数字で表現できるものは、曖昧な言葉ではなく、できるだけ具体的に伝えた方がいいと思う。

相手の都合を考えるのであれば、事前に状況を確認した上で指示や依頼をする。

 

当たり前なことだからこそ、相手のやさしさに甘えて疎かになっていないだろうか。

私自身、今一度考えたい。