内省のススメ~ノートに書き出してから、テキストに起こす~

2024年5月16日

出所:ぱくたそ[ https://www.pakutaso.com ]

考えていることを言語化するとき、ノートに一旦書いて、まとまってからテキストに起こしている。いきなり文章にするのは、ハードルが高い。自分しか読まないものなのに、仕事の癖で「他人にも伝わる文章にしないといけない」と考えてしまう。

 

だからといって、頭のなかで考えていても、同じようなことを考えるだけで、発展性がなく、時間の浪費になりかねない。ノートには、基本的に「分かりやすいシンプルな階層」「媒体の価値」「30~40代」といった短い文章しか書かない。羅列すると、頭が整理されるだけでなく、物事の関連性がわかったり、優先順位がつけやすかったりする。

 

自分しか読まないから適当だ。考えている順番に、上から書いていても、「これは違う話だな」と思ったら、横に話しておく。関連性が見えてきたら、矢印で結ぶ。記号の使い方も決めていない。大事なことは、考えていることを外に出して、頭のなかを軽くすることだ。

 

現状の把握に役立つのではないか

よく「考えていることと悩むことは違う」と言われる。40歳を過ぎても、この違いがよく分かっていない。「目的や目標の達成に向けて、次の行動を決めること=考える」「現状への不満、将来への不安で、気持ちがすっきりしないこと=悩む」ぐらいだろうか。

 

自分の気持ちを言語化するのは、いずれの状態においても有用だと思う。書けば物事が解決するわけではない。ただ、現状の把握には役立つ。「自分ってこう思っていたのか」「そういえば、これってよく分かっていなかったな」と知ることは、次の手段を考える参考になると思う。

 

そういう意味では、ノートにこだわる必要はまったくない。自分にとって、気軽に気持ちを吐き出せるものならなんでもいい。ノート(ノートの整理術について「A4ノートの効用」に掲載)、Word、ブログ、note、X、Instagram、掲示板など、ツールはいくらでもある。自分と向き合う「内省」が重要なのだ。

 

承認欲求が邪魔する

内省の邪魔となるのは、承認欲求だろう。頑張りを認めてほしい。苦境を分かってほしい。個人的には、この気持ちは永遠になくならないと思っている。承認欲求が行動の原動力になっていることもあるからだ。

 

言語化するときに、承認欲求が強ければ、伝えることが前提になるので、多少なりとも体裁を整えたくなる。「格好をつける」といった方が正しいかもしれない。目的が伝えることであれば、それもいいだろう。しかし、考えを整理することが目的なら、自分しか分からないツールをおすすめする。

 

転職して、自分と向き合う時間が増えた。決して自由な時間ではない。まわりが求めていることと、自分がやりたいことのギャップが大きいだけに、悩むことも多い。将来の不安も大きくなるばかりである。言語化の難しさを改めて思い知る。