【読書】FREE,FLAT,FUN-これからの僕たちに必要なマインド

自分のことなのに、自分のことが分からない。大切にしていること、ビジョンや軸がはっきりしていないから、人間関係に振り回されたり、ちょっとした想定外の出来事で塞ぎ混んでしまう。

自己責任の範囲内ならまだしも、スタッフを引っ張る「リーダー」ともなれば、そうもいきません。

ところてんのような流れながら、まもなく課長になる私にとって、考え方と行動を見直す時期がやってきました。

そこで手に取ったのが、企業内大学「Yahoo!アカデミア」の学長である伊藤羊一氏が書いた新刊『FREE,FLAT,FUN-これからの僕たちに必要なマインド』(KADOKAWA発行)でした。

本書の根幹にあるのは「自分で自分を導く」(Lead the self)ということ。これまでの常識から脱して、自分の意思で決めて行動することで、生き方や働き方を変えていくというものです。

「導く」とは、自分自身のことだけでなく、スタッフ、組織、さらに社会も指しています。広範囲に思えて、すべてが延長線上にあることを教えてくれます。

タイトルにもあるとおり、本書は3つの言葉で構成されています。

◆FREE 常識から解放され、ひとりの人間として自由に生きる

◆FLAT 一人ひとりが、異なる意見を持つリスペクトされるべき存在である

◆FUN 一人ひとりが意思を決めて生きられれば、楽しく幸せな社会になる

マインドセットが主題なので、テクニックよりも、伊藤氏の体験を踏まえながら、変化の激しい今だからこそ、自分で決断して果敢に行動する大切さを重点が置かれています。

自分自身を客観視する

将来の目標、理想とする自分を思い描くこともさることながら、伊藤氏は「すべてのスタートラインは『自分の過去』」にあると説いています。

過去の積み重ねによって、現在がつくられているからです。人生を振り替えるのは、「譲れない想い」を知るだけでなく、自分自身を客観視することにもつながるそうです。

自分を「自分の外」に出してはじめて、自分が考えていることを言葉にできるし、自分を俯瞰してとらえられるということです。

伊藤氏が提唱する「ライフラインチャート」にしたり、文章にしたり、他人と話したりと、言語化することで振り返るわけですが、いざやってみると中々難しい。

やり遂げたことは自信と確信に、失敗したことは反省に結び付くことは分かっていても、「中々難しい」と思うのは、仕事でもPCDAがまわせていないということです。

本書は、行動の習慣化による自己変革にも触れています。

私は、自分を変えるために「モチベーションに頼ってはいけない」とよく伝えています。モチベーションは行動のエンジンとして大切なものですが、それよりも重要なのは、やはり習慣です。

習慣をもって、自分を変えていくのです。

リーダーの仕事である「意思決定」をするためにも、まずスタッフの前に、自分自信が「経験→振り返る→気づく→実践」の経験学習サイクルを習慣化できるようにします。

理想(想い)の実現に向けて、伊藤氏が送った言葉を引用して締めたいと思います。

そこでいま、仕事で壁にぶちあたっている人がいればー厳しいかもしれませんが、私は「成果を出すためにあらゆる努力をしていますか?」と問いかけたい。

誰かになにかをいわれて、返答が感情的になったりしていませんか?

それは、成果を出すための最短距離の行動ですか?

「そうはいっても、つい感情がコントロールできなくて」という気持ちもわからないではないですが、「あなたが出したい成果」に対して最短距離なのかということを、いつも問うてほしい。

自分を客観視するには、時間がかかりそうです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

読書

Posted by guzumoti