コロナ禍でどうなる展示会
展示会の中止が相次いでいます。
言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症拡大の影響です。
今年1月~3月、感染症対策を可能なかぎり整えたうえで開催するケースが散見されたものの、緊急事態宣言の発出でまた難しくなってきました。
展示会は、最新の製品やサービスを間近で見られる絶好の機会です。
「テレビのニュースでも紹介される『東京モーターショー』や『東京ゲームショウ』のようなイベント」と言えば、イメージしやすいでしょうか。
業界、業種、製品、サービス、用途、地域など、展示会の切り口は無数にあります。
即売会のように直接的な販売を目的したものもありますが、最新提案を披露することで、業界(来場者)の反応を見る場所とも言えます。
その舞台を目標に、開発を進めている企業も少なくありません。
情報発信の手段が多様化している時代ですから、「わざわざ展示会に出なくても…」と思う人がいるかもしれません。
その意見も一理あります。
実際、コロナ禍で開催されなかった展示会の代わりに、Webサイトにバーチャルショールームをオープンしたり、Zoomでオンラインセミナーを実施したり、事前予約制で少人数によるプライベートショーを企画したり、といった動きが活発になっています。
ただ、リアルな展示会しか得られない魅力もあります。
サイズ感、音、振動、におい、手触りなど、五感から得られる情報は代えがたいものがあります。
人だかりがあれば気になるし、お目当てのブースに向かう途中で見かけた提案に魅かれる。
こういった「偶然の出会い」も醍醐味です。
業界紙も気になって仕方がない
業界紙記者にとって、展示会はまさにネタの宝庫。
最新の製品・サービスが間近で見られるうえ、知りたいことがあれば、すぐに確認できます。
展示ブースや実演も凝っているので、撮った写真の多くが「絵」になります。
業界を代表する大規模な展示会ともなれば、経営幹部も多く参加しているので、次の取材につなげるチャンスです。
業界全体の動向を把握する意味でも、数百社の提案が一カ所で見られる展示会は、有益な情報源です。
それだけに、業界紙(一般紙・オンラインメディア・テレビもそうですが)の記者は、展示会が開かれるかどうか気になって仕方がありません。
開催前に大きく紙面を使って紹介する場合、気になる度合いが増します。
ページ数が多ければ、紙面内容を変更する負担が大きくなるからです。
生々しい話ですが、広告協賛と連動する企画ともなれば、売上も左右します。
ただ、中止になった場合でも、読者のビジネスチャンスになる情報を発信することに変わりはありません。
どういった状況になっても、すぐに対応できるのか。
コロナ禍で業界紙記者の力が試されているように感じています。
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