「お前、もう少し雑談しろよ」

2024年5月16日

「いやー、感染者がまた増えてきましたね」

影響が広範囲にわたるだけに、新型コロナウイルス感染症の話題が出てこない日がありません。

収束の目途が中々立たないなか、今後が気になるところではありますが、取材のときに私から話題にするのは避けています。

枕詞のように使うことで、話題の引き出しが減ってくるような気がするからです。

一つのテーマに対して、色々な意見を聞くことで、物事を多角的に見たり、結論や仮説を見出すこともあるでしょう。

しかし、新型コロナウイルス感染症は、今に始まったことではないし、感染者数を気にしても仕方のないことです。

(業界紙記者として、この状況下で企業が「どう考え」「どう行動しているのか」を取り上げることに意義を見出していきたいと思っています)

同じ話題を振って、相手に対して同じ言葉を返すのは、とても楽です。

ある意味では「効率的」とも言えますが、反対から見れば「惰性に流されている」状態です。

アイスブレイクを大切に

初対面であれば、取材相手を知ったきっかけ、他紙で紹介されていたこと、会社の立地など、先方が話しやすい話題を振るようにしています。

相手のことに関心がある姿勢を示していきたいとの思いからです。

そこには、お互いの緊張をほぐす「アイスブレイク」の意味も込めています。

偉そうなことを書いておきながら、私は雑談が苦手です。

いきなり本題に入って、聞きたいことが聞けたらすぐに帰る。

26歳くらいまでそういったことをよくやっていました。

ただ、今の会社に入って同行した営業の先輩から

「お前、もう少し雑談しろよ」

と言われたことが、取材に対する姿勢を変えるきっかけになりました。

先輩はそれ以上何も言いませんでしたが、取材相手に親しみを持ってもらう大切さを教えてもらったような気がしました。

仕事以外の共通の話題を出すにも、寄り道する会話がなければ分かりません。

だからといって、雑談ばかりしても、本来の目的である取材の時間がなくなる。

そういった意味でも、まず取材先に関する話題から入るようにしています。

相手のことを知るうえでも、私の雑談力を鍛えるためにも、その貴重な時間を新型コロナウイルス感染症で使うのはもったいない。

そう思う今日この頃です。