【読書】極アウトプット「伝える力」で人生が決まる

2021年5月21日

記者になるまで、意識して「書く」ことはありませんでした。

文章の良し悪しはさておき、至極当たり前の行為だったからです。

しかし、振り返ってみれば、小学校から大学まで何かしら書いていたのにも関わらず、自分の気持ちを素直に言葉にできなかったり、話の流れがつながらなかったり、正確に物事が伝わらなかったり、消化不良のような文章をいまだに書き続けています。

だからこそ、この本が目に止まったのかもしれません。

今回紹介する樺沢紫苑氏の『極アウトプット「伝える力」で人生が決まる』(小学館発行)は、10代向けて書かれた本です。2019年に発行された『アウトプット大全』をすでに読んでいましたが、樺沢氏が御自身のYouTubeチャンネルで紹介していたことをきっかけに、Amazonで即購入しました。

樺沢氏は、「日本一アウトプットをする精神科医」を自称するほど発信力に長けています。

  • 34冊の本を出版
  • 15年間、メールマガジンを毎日配信
  • 10年間、Facebookを毎日更新
  • 7年間、YouTubeを毎日更新

といった実績からも説得力があります。

本書では、アウトプット術として「話す」「書く」「行動する」を挙げています。

今回、そのなかから「書く」に注目したいと思います。

脳内を刺激する

樺沢氏によれば、脳内にある「脳幹網様体賦活系(RAS)」を刺激することで、集中力が高まり、脳が活性化されるそうです。

このRASを刺激するもっとも簡単な方法が「書く」ことです。(中略)書けば書くほどRASが刺激され、脳全体も活性化していく。これが「書く」アウトプットの科学的な効果です。

アウトプット全体に通じる点として、繰り返し使う情報は長期記憶されるとのこと。膨大な情報が次から次に入ってくるからこそ、一度聞いた(見た)だけでは忘れてしまいます。

だからこそ記録するわけですが、「情報を入力してから2週間以内に3回程度アウトプットすれば、長期記憶として残りやすくなる」としています。

勉強に有効的な方法ですが、仕事に置き換えることもできそうです。

  • 優先度の高い課題を、人に伝えることで、自分に対してプレッシャーをかける。
  • 話し方や書き方を工夫することで、記憶された情報を整理し、切り口を変える。
  • 手帳にToDoや小さな目標を残しておくことで、方向性を確認し、修正する。

習慣にして、現実に生かすところまでレベルアップしたいものです。

ますます問われる「書く」力

本書は、コロナ禍によって、コミュニケーションに変化が起こっていることにも着目しています。

一昔前では、仕事のツールとして「電話」(話す)が欠かせませんでしたが、今やメール、メッセージ、チャットが主流です。さらに、コロナ化によるテレワークの普及によって、「対面」で直接話す機会が、ネット上のやりとりに急速に置き換えられています。

私たちのコミュニケーションは、リアルからネットへ、「話す」から「書く」へ大きくシフトしています。

LINEに代表される短文で、ある程度意思疎通できても、メールや文書になれば、話は変わります。

こちらの意図を正確に伝えながら、ダラダラと長く書かないようにする。

「分かりやすく」「簡潔に」と頭では分かっていてもできないのは、書くことに馴れていないから。

樺沢氏の言葉を借りるなら、「トレーニングができていない人が多い」ということです。

「書く」アウトプット力は、書けば書くほど伸びていきますが、一朝一夕ですぐに身につくものではありません。日々の習慣として書き続けることによって効果が出てきますから、早くから「書く」アウトプットを始めるほど有利になるのです。

樺沢氏が薦めるトレーニング方法は…

  1. 手書きで何でも書き出す
  2. 読書や映画の感想をメモする
  3. (2.で書いたメモを基に)少し長い文章をノートのまとめる
  4. 書き始める前に、内容を話したり、構成を決めたりする
  5. テンプレートを使って、読書感想文を書く

などです。

私も長い文章を書くのが苦手です。

それでも記者を続けてこれたのは、書く材料があったから。情報を整理して、伝えたいことを絞っていく。書き方は物真似から入り、試行錯誤する。その繰り返しです。

個人的には「書けば書くほど上手くなる」というよりも、「書けば書くほど抵抗感がなくなる」の方がしっくりきます。

このブログも個人的なアウトプットとして週1回更新を目標に書いています。

本書の副題にある『「伝える力」で人生が決まる』を実践していきたいと思います。

 

読書

Posted by guzumoti