さらば!記者生活!
16年にわたる記者生活が今日で終わった。
中学生から志してきた新聞記者の仕事から離れるのは、正直名残惜しい。
「理想とする仕事がどれだけできたのか」
幾度となく問いかけてきた言葉に対して、胸を張って「やりきった」と言えない自分がいる。
組織における自分の役割が、年月とともに変わり、取材と原稿書きに集中できる時間が圧倒的に減った。
社内外の調整や進行管理に労力を割いているうちに、新聞と向き合うことが片手間になった。
そのことに数年前から気付いていたが、多忙から生まれる満足感でごまかしていたように思う。
正確に伝えるだけでなく、前後関係も含めた深みのある記事を書くには、ある程度の時間を使う必要がある。
そうできなかったのは「残業も厭わない熱意が足りなかった」と言えるだろう。
しかし、自分自身にブレーキをかけることで、心身ともに元気な状態で大過なく仕事ができたのも確かだ。
気付かないうちに、限られた時間のなかで安定した成果を出すことが信条になった。
そう考えれば、効率を追求してきた数年間の試行錯誤は無駄ではなかった。
新聞記者の仕事に名残惜しさはあるものの、別の道を選んだことに後悔は一切ない。
これまでの経験を生かしながら、謙虚な姿勢でまわりから学んでいきたい。
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