【読書】できる40代は、「これ」しかやらない-1万人の体験談から見えてきた「正しい頑張り方」
30代も終わりに近づくにつれて、漠然とした将来への不安からついつい買ってしまいました。
『できる40代は、これしかやらない』(大塚寿著/PHP研究所)は、ライフワークとして20代から続けているインタビューをもとに導き出したノウハウ本です。
1万人の体験談から見えてきた「正しい頑張り方」を語るまえに、大塚氏は40代のワナについて記しています。
一生懸命働けば働くほど、40代を後悔することになる
仕事や人生には正しい頑張り方、時間の使い方があって、そのセオリーや勘どころを外してしまうと、いくら頑張っても成果が出ない
多忙に流れて、あっという間に時間が過ぎていく。
だからこそ、自分の価値観を見つめなおし、目標と優先順位を立てて実行する必要があることを教えてくれます。
本書は、目的別に7つの章で構成されています。
- 【キャリア編】40代は「人生後半をどう生きるか」を選べるチャンス
- 【会社編】「ダークでディープな組織」を上手に泳ぐスキルを身につけよ
- 【マネジメント編】「正しい任せ方」を知らないと、自分もチームも回らない
- 【プライベート編】ワークをいったん手放し、「ライフ」を最大限シフトせよ
- 【タイムマネジメント編】仕事が速い人は「これ」しかやらない
- 【人脈編】40代からは「誰とつながっているか」で勝負が決まる
- 【勉強編】限りある時間で、最大限の成果を得る「大人の学び方」
これらのタイトルに、ポイントが凝縮されています。
とくに2章と3章では、30代の延長戦上で、同じやり方、同じ考え方のまま進むことの危険性を随所で語っています。(以下要約)
- 圧倒的な結果を出す「尖った」個人スキルよりも、年上の部下や他部門とも調和しながら成果を上げる「組織スキル」が求められる
- 「上の顔を見る」習性から、部下に「関心を持つ」考え方に切り替える
- 評論家ではなく、「裁量と責任」が伴うリーダーシップこそ必要になる
会社員としての生き方を問われる部分ですが、「正解」として受け止める必要もなさそうです。
上を目指すか。
出世を捨てるか。
いずれかを選択にするだけで、スキル、考え方、時間の使い方が変わります。
書くスピード=考える能力
個人の市場価値、人生の優先順位、時間の総量把握など、本書では「書く」ことの重要性について触れています。
書き出せば考えがまとまり、漠然とした正体が判明する。
スケジュールを細かく記録することで、作業に必要な時間と量が判明する。
それに頭のなかで悩んでいるだけでは、焦る気持ちばかりが優先し、なかなか先に進むことができません。
著書は、さらに「書くスピード」にも言及しています。
書くスピードとは「自分の頭で考える能力」とほぼ、比例するからです。いわゆる「書くスキル」を磨く意味がないとは言いませんが、むしろ鍛えるべきはこの「自分の頭で考える能力」のほうなのです。
自分の頭で考える能力とは、人の言葉を鵜呑みにせず、状況と目標に合わせて解釈し、自分の言葉(文字)で発信する力です。
経営陣の方針をそのまま伝えるではなく、所属する組織の現状に合わせて進めていく。それは現場とスタッフのことをよくわかっている人しかできないことです。
そこで求められるのが、PESTに代表される思考系スキル「フレームワーク」。現場の情報を分析するためです。
強みの洗い出しと掛け合わせもさることながら、まだまだ勉強することで得られる40代の伸びしろを感じさせてもらった一冊でした。
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