母校の図書館で過ごす贅沢な時間
入社日まで2週間を切った。仕事に対する不安はあるものの、社会になって最も穏やかな時間を過ごしている。
食べたいときに食べ、好きなときに昼寝する。動画を好きなだけ見て、気が向いたら本を読む。
勝手気ままに生活できるのは、無職の醍醐味だ。
残りわずかな至福の時間を母校の図書館で過ごすことが多い。
入社書類の卒業証明書を取りに行ったことがきっかけで、週1、2回通っている。
登録すれば学生以外も利用できるため、定年を迎えた年齢層の方々がちらほらいる。
私も学生の邪魔にならないところで、じっくりと読書に没頭する。池波正太郎、井上靖の全集を読んでいる。
両書ともに、私が大学生の頃から置いてあったようだ。現役時代、よく通っていたつもりだったが、まったく気づかなかった。
読書に限ったことではないが、時間を気にせず、好きなことに打ち込めるのは幸せなことだと思う。
仕事にしても、家庭にしても、社会においてやるべきことがあれば、自分のために割ける時間はわずかなものだ。
制限があるからこそ、自由を楽しめる一面も確かにある。
私の場合、入社という区切りが分かっているからこそ、時を惜しむ気持ちが強いのかもしれない。
図書館に通っているのは、学生時代を思い出しながら、読書を楽しみたいモラトリアムに近い衝動のあるのだろう。
「あのとき、この席でこういったことを考えていた」のような思い出に浸るときもある。
それらの行為は、成長もなければ、何の意味もない。
だからこそ贅沢な過ごし方といえる。
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