一面的な情報ですべてを知ったように語るな

一面的な情報で、他者のすべてを知ったように語る。その根底にあるのは、怒りや妬みではないだろうか。

「私は努力しているのに評価されない」「あの人は、私よりも楽をしているのに給料が多い」といった不平不満は、一時的な息抜きにはなるだろう。しかし、その言葉はお互いにとって何の利益も生まず、むしろ聞き手からすればマイナスの感情を広げるだけである。

中でも後悔や反省の伴わない昔話は、語れば語るほど、共に築き上げてきた仕事の価値まで汚されたように感じてしまう。

他の人から見れば、私の仕事は給料に見合っていなかったのかもしれない。もしそうなら、当事者であるときに指摘してくれていれば、改善の機会もあった。私が退職した後に、当時の心境を告白されても、今となってはただ受け止めることしかできないのだ。

私自身も会社に対して「必死に訴えても無駄だ」という投げやりな気持ちを抱いていたし、喜怒哀楽にエネルギーや時間を使うのは無駄であると思っていた。
感情的にならず淡々と業務を割り切ってこなしていたからこそ、精神的に安定して過ごせていたのだ。

耳を貸さない相手に、どれだけ情熱を注いでも虚しいだけであろう。この考えは今でも変わらない。
他者が評価してくれなくても、自分自身と互いに信頼し合える人が真意を理解してくれれば、それで十分である。

生産性のない過去の不満話に意味などない。人間だから不平不満を口にすることはある。だが、物事には自分にも非があること、そして、わずかな一面だけで全体を語るのは愚かな行為であることを、常に自覚しておくべきである。

仕事・転職

Posted by ぐずもち