ダンベルプレスで怪我したホームトレーニー
油断していたのかもしれない。3セット5レップを終える直前、「そろそろやばいかな…」と思った瞬間だった。右腕に力が入らなくなって、慌てたと同時に全体のバランスが崩れた。
ダンベルが顔面に当たらないようにすることだけは判断できた。それでも胸の上部に衝突することは避けられず、思わず「あっ!」と叫ぶ。自宅で一人だったため、助けてくれる人もおらず、インクラインベンチからそのまま落ちた。
ダンベル2個で計48kgが身体に圧し掛かる。痛さよりも、重さが先に伝わってきた。意識ははっきりしている。身体も動く。ひとまず安心した。
次に気になったのは、和室の壁だった。重りの黒ゴムが擦れた跡がくっきりと2カ所残っていた。触ってみると、いずれもわずかに凹んでいた。私の心も当然凹む。
頭の中は、身体のことよりも壁のことばかり。水拭きしても取れず、消しゴムで細かくこすったら取れたものの、壁紙の風合いは少し失われていた。
ようやく身体に意識がまわる。右手首を横に倒したり、右腕を伸ばして上腕三頭筋を伸ばしたりすると、痛みが走った。右わき腹にも違和感を覚えた。
再就職に伴う失業保険の手続きでハローワークへ行く途中も、起きて30分後に筋トレしたことに後悔していた。無理したつもりはない。集中できずに、漫然とこなしていたことが原因だ。
翌朝、体重を測定する前に上半身裸で鏡を見ると、胸の左上が大きく内出血していることに気付いた。「暴力事件に巻き込まれた」といっても信じてくれそうな傷である。
怪我が治るまでどれだけ時間がかかるだろう。トレーニングを再開しても、朝から最重量でプレス動作をするのは控えるつもりだ。健康に勝るものはない。








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