【読書】齋藤孝『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』

『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』(齋藤孝著/フォレスト出版)は、「赤」「青」「緑」の色で情報を瞬時に切り分ける方法が掲載されている。

重要度ごとに色分けするのではなく、感性に基づいて、初見で心の琴線に引っかかった部分を重視しているところがポイントだ。

赤……客観的に見て、最も重要な箇所

青……客観的に見て、まあ重要な箇所

緑……主観的に見て、自分でおもしろいと感じたり、興味を抱いたりした箇所 

主観と客観の両方から情報の価値を判別することで、文章が構造的に理解しやすくなるそう。線を引き、キーワードを丸で何重にも囲む行為自体は、情報や物事に「引っかかる」感性を磨く意味があるという。

資料を読む機会が多い

職業柄、資料を読む機会が多い。ページ数が多い上、ほとんど文字で埋め尽くされている。その中から重要なポイントを拾い、記事などに分かりやすくまとめることも仕事だからだ。

齋藤孝氏が以前から3色ボールペンの活用方法を提唱していることは知っていたものの、私は「情報を選別できればいいだろう」ぐらいの認識で、3色の明確な定義づけもなく、マーキングしていた。

私の中で「赤=最重要」と決めていたものの、青と緑の使い方がいつまでもはっきりできなかった。なかでも普段使わない「緑」の役割が分からない。そこで本書を買った。

「緑」の役割

緑の使い方の中で、とくに印象に残った箇所をいくつか引用する。

赤と青だけで読んだ資料というのは、どんなに要点が押さえられていてまとまっていても、自分の中では残りにくい。感性を通していないからである。

メモを取るのにも、赤と青以外では、これは必要はない、興味が湧かないというところは、書かなくてもいい。自分が触発されないことはメモを取らない。それがコツである。

緑は、自分の脳の暗黙知と深くかかわり合った、個人のあり方にとってきわめて本質的な部分といえる。

「他人ではなく、個人的にどうなのか」と考えたとき、緑でなかなか書きにくい。つまり読んでいる資料や書籍は、自分にとって心躍るものではなかったといえるのかもしれない。

価値の選別につながる一冊

巻末に練習問題も掲載されているが、私は読み進めながら、さっそく本書に書き込んだ。スケジュール帳やメモも、読了した日から3色で書くようにしている。

齋藤孝氏によれば、「最初のうちは、『線を引く』という行為にためらいをなくすためにも、多めに引きすぎるぐらいがよい」そうなので、難しいことは考えずに、まず習慣づけることを目標にしている。

実践して2週間だが、情報や予定の価値が選別できているような気がする。

 

読書

Posted by ぐずもち