【読書】コンサル一年目が学ぶこと
習慣ではなく、惰性に近い「癖」になっていないか。
自分の言動をできるだけ見直すようにしています。
このブログで紹介している本を見ていただいても分かるとおり、意識的に自己啓発本やビジネス本を買っています。
今回読み終えたのは、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)で事業戦略立案などに携わっていた大石哲之氏の『コンサル一年目が学ぶこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン発行)。外資系コンサルティング会社出身者の取材を基に、仕事で使える「究極のベーシックスキル30選」がまとめられています。
本書は
- 話す技術
- 思考術
- デスクワーク術
- プロフェッショナル・ビジネスマインド
で構成されており、部分的に読んでも実践しやすい内容になっています。
端的に話す
第1章に書かれている「結論から話す」「Talk Straight 端的に話す」「数字というファクトで語る」「数字とロジックで語る」などは、シンプルな指南ながら、企業文化という垢にまみれた私にとって思わせるものがありました。
社内で気遣い(遠慮)から遠回しにいったり、理由を説明しているようで言い訳になっていたり、それで改善がなければ、時間の無駄になりかねません。
上手く言おうとして、かえって真意が伝わらないのは、取材でも時々あります。
取材相手から「その質問はどういう意味ですか?」と言われるのは、前置きが長いときが多いです。
市況や関連する動きを例に挙げることで、相手の考えを引き出すだけでなく、「私はある程度業界のことを知っていますよ」と理解を得る狙いもあります。
しかし、度が過ぎれば、質問の受け手にとってただの負担にしかなりません。
以下のようなことは、「答える」だけでなく、「質問する」という点においてもポイントになりそうです。
変な駆け引きをせず、言い訳をせず、言われたことにきちんとストレートに答えること。相手の信頼を得るために非常に大事なこととして、いまも常に心がけています。
まず、質問に、イエスなりノーなりで端的に答える。
次に、追加の説明をしたり、相手の質問に答えていく。
少ない言葉でも、相手の立場になって、正確に伝えることを第一に考えていきたいと思います。
知っているではなく、どう考えるか
本書は、情報のまとめ方と考え方についても、大きくページを割いています。
膨大な情報を短時間で調べて、ポイントを抽出し、傾向分析する。
- 読書術
- パワーポイント、エクセルの効率的な作成方法
- 議事録の書き方
といったテクニックよりも、「常に自分の意見をもって、情報にあたる」という考え方が勉強になりました。
ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えることです。
どれだけ考えたかが、ビジネス能力を向上させるのであって、情報量そのものが能力を向上させることはありません。
情報に対する考察がなければ、行動原理も生まれず、他人から与えられた数値目標や環境に左右されるだけです。
テレビ、新聞、雑誌などの媒体は、限られた枠のなかで、優先度の高い情報を発信しています。(しているはずです)
「なぜそうなのか」「こういう理由かもしれない」と考えるのは、仮説を立てるうえでも不可欠な習慣です。
情報を集めるだけでは考えたことにならない。
その先にあり「本質」を提示することができてはじめて、価値は生まれる。
たんなる事実を報じるだけでなく、市場がどう動く可能性があるのか。
「独自の視点で書かなければ、業界紙の意味がない」ということです。
この至極当たり前のことができていないことに、改めて気付かされる一冊でもありました。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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