怒りの導火線はどこか~先方との温度差次第で火が強まる~
どれだけ相手に非があっても、激高されたら関係修復に時間がかかる。もう手がつけられない。
導火線がいたるところにあって、怒っているうちに爆発の連鎖が発生する。
コンサルタント時代、そういう理不尽なことが半年だけでも数回あった。
口頭や書面で何度も説明したことなのに、損することが分かった時点で、先方は着火体勢に入る。
あらゆる修羅場を経験している経営者の方々は、物事に100%がないことは知っている。契約した内容も忘れていないはずだ。しかし、激高せずにはいられない。置きどころのない感情を私にぶつけているだけなのだ。
怒り度合が頂点に達している段階では、どのような言葉も通じない。言い訳に聞こえる。冷静に伝えるほど、先方も温度差を感じ取り、火の勢いが強まる。
ミスマッチが怒りの感情を生む
「否定から入らず、激高されている理由を考えることが大事だ」
先輩からそう教えてもらった。
期待している結果が得られず、時間、労力、費用が無駄になっているから怒っている。当時の私は、それ以外に思い浮かばなかった。
過去を改めて振り返ってみると、そのほかにも以下の理由が考えられる。
これらをまとめて言うと、
「お金がかかるわりに、こちらの負担が大きすぎるだろ!」
ということだ。
コンサルタントに依頼するということは、社内で足りない人的リソースを補う意味も含めている。
その点においては、反省すべきことも多い。
憶測は控えるべきだが、こちらが提供できるサービスと先方が期待している対応にミスマッチが発生していた可能性が高い。
なかには、1から10まで請け負うコンサルタントもいれば、1から4まで取り組みの中核部分にしか携わらない場合もある。
そのあたりも説明し、納得いただいたうえで支援しているものの、ボタンの掛け違い、感情の溝は中々埋まらないのが現実だ。
クッション言葉に慣れろ
相手を思いやる行動の一つとして、クッション言葉を教えてもらった。
とくに「ご多用のところ恐れ入ります」は、プライベートでも出るぐらい使った。
記者時代に取材申込書で使っていた言葉でも、口に出すことは少なく、コンサルタントになり立ての頃は慣れなかった。
本来、対等な関係のはずなのに、一歩下がっている立ち位置を見せているようで気が引けた。
慣れてくると、クッション言葉の有無がスムーズなやり取りを生み出しているように感じる。
立場を尊重されて、悪い気がする人も少ないはずだ。
どこまでも自然に振る舞うのが難しい。過度な敬語や言いまわしは、かえって相手を不快にさせる。このあたりの塩梅がつかめないまま転職してしまった。
コンサルタント経験に長けた先達数名に聞くと、口を揃えて
「慣れ」「経験」「場数」
で片付けられてしまう。
口で説明するのが面倒なわけではなさそう。
人の数だけ個性があり、話の流れも無数にあるからだろう。仕事に限った話ではなく、良好な関係構築は、永遠の課題といえる。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません