【読書】SINGLE TASK 一点集中術-「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
マルチタスクの方が「できる人」に見える。
そう思って、同時並行で物事に取り組んでいました。
しかし、さっきまでやっていたこと、次にやることが気になって中々進まない。
分かっていながらも、止められなかったのはマルチタスクに対する幻想があったのかもしれません。
デボラ・ザック氏は『SIGLE TASK 一点集中術』(栗木さつき訳/ダイヤモンド社発行)で、「マルチタスクは不可能」と言い切っています。
一般に「マルチタスク」と考えられている行為は「タスク・スイッチング」にすぎない。タスクからタスクへとせわしなく、注意を向ける先を無益に変えているだけだ。タスクの切り替えには0.1秒もかからないため、当人はその遅れに気づかない。
たった0.1秒。
一瞬で過ぎ去る時間でも、切り替えるたびに集中力が低下する。まさに気が散っている状態です。
本書の第一章では、「同時に複数のことに注意を向けらない」脳の仕組みにも触れたうえで、マルチタスクに対する幻想を見事に打ち砕いてくれます。
一方、目の前のことに取り組むシングルタスクは、強いエネルギーと鋭い集中力が必要なだけに
- 充実感
- 高い生産性
- 確実な成果
を得ることができます。
過去にあった嫌なことも振り返らないし、これから起こるかもしれない不安なことも考えないようにする。
私もついついやってしまうことですが、デボラ氏は「無益なだけでなく、怠惰にすぎない」と指摘しています。
メモで集中する
1つの作業に没頭する「フロー」の状態を生むためのテクニックも紹介しています。
「パーキングロット(駐車場)」を応用したメモもそうです。
会議を効率化するための手法で、本題と無関係な話題が挙がったとき、あとで話し合うために記録しておくというものです。
つまり、気になったり、アイデアが思い浮かんだりしたときに、すぐに書き留めておけば、注意をそらさずに本来の作業へ戻ることができます。
とんでもな名案がひらめいたら、それを逃したくないからこそ、私はすぐに紙に書き留める―あとで徹底的に考え、可能性を広げるために。
反対に、書き留めるというただそれだけの行為を怠れば、私はすぐにその名案を忘れてしまうだろう。あるいは頭の中心にそのアイデアを据えておこうとするだろう。すると結局、本来の作業に集中できなくなる。
一言、二言を書き留めるだけで、頭のなかがすっきりすると、気も散らなくなる。
毎日の作業を「3日分」書き出すことも推奨しています。
無駄な行動を洗い出すというよりも、類似するテスクをまとめて片付けるのが目的です。
- メール(読む・返信する)
- 必要なものを準備する
- 電話をかける
- 取材や打ち合わせの予定を組む
といったように、内容ごとにグループ分けすることで、同じ時間帯に片づける予定を組む。
そうすることで、思考の流れを遮断するのを防ぎます。
【類似タスクのコツ】
- 頭がいちばんハッキリしていて、明晰な思考ができる時間帯に、「類似タスク」をまとめて片付ける
- 1日に1~3回、そうした時間をつくる。
- そうしたタスクにあてる時間はあらかじめ決めておき、終わりの時間にアラームを設定する
- アラームが鳴ったら、作業を中断する。いつまでもだらだらと続けない。
ルーティンでも、苦手な仕事はあるものです。
後回しにしがちなうえ、気持ちを切り替えるのも労力がかかります。
自分で逃げられない状況を無理やりつくって、さらに続けることで心理的な慣れも生まれてきます。
本書は、時間を最大限に活用するテクニックよりも、物事に没頭する大切さを考えさせてくれる内容になっています。
最優先に取り組むべきことは何か。
自分なりの価値観と時間軸が問われていることを改めて感じました。
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