物事を多角的に見る思考の柔軟性が足りない

先月からライティング系の講座に通っている。第一線で活躍している人たちの考え方を学ぶことで、思考の硬直化を少しでも防ぐのが目的である。

無難な切り口、慣れた論理展開、手垢のついた文章表現は自覚しているつもりだ。他人から指摘されることがなく、もし指摘されても素直に聞けない性格のため、少しでも耳を傾ける機会を定期的につくるようにしている。

 

講座では、課題の添削がある。書くことで少なからずご飯を食べている身としては、多少自信があった。
しかし、数回あった課題の評価は、受講生のベスト10にも入れなかった。講師からは「切り口は悪くない」「コンセプトは弱い」とのコメントをもらったものの、ほかの受講生と比べると共感性に欠けていたと思う。

 

原因は、「どう伝えるか」にばかり囚われて、最も大切な「何を伝えるか」が考えられていないことだ。
たとえば商品やサービスを取り上げる場合でも、それらが提供する特長によって、消費者の行動や生活がどのように変化するのか。ここに重点を置いて書かなければ、最後まで読まれず、伝わりもしない。

 

人をひきつける文章のポイントは、文章表現のテクニック、ライティングの経験よりも、物事に対する客観性と多角的に見る思考の柔軟性ではないだろうか。
何事も型にはまっている現在の自分では、圧倒的に足りない要素だ。その点を再認識し、学ぶ意欲を高められるなら、自尊心が多少傷つけられるぐらい安いものだ。