日記にメリットはあるのか~あのときの心境はもう書けない~
過去を振り返ることが増えてきた。本棚から手帳を数冊引っ張り出して、同じ日のスケジュールを調べる。3日前の食事は覚えていないが、手帳さえ見れば、3年前のことでも何となく思い出せるから不思議だ。
あれだけ悩んでいたことも、時が過ぎれば思い出に変わる。毎日のようにジムに通っていたのに、今では自宅で1日15~20分鍛える程度になった。変わっていないつもりでも、まわりの影響を受けて、考え方や生活習慣が少しずつ変化していることに気付かされる。
手帳に公私関係なくスケジュールを書く習慣は、10年以上続いている。しかし、日記は一週間ももたない。ふと思い立って、大学ノートを調達したものの、数ページで終わって、メモ帳になったことが何回もあった。
一言だけでも蘇る思い出
高校生のときは、日記を毎日書いていた。「書いていた」と言っても、日付、天気、今日の出来事、一言ぐらい。枕元に置いて、寝る前に3分ほどで使っていた。
吹奏楽部だったので、内容は部活のことばかり。「団結できずに本番を迎えていいのだろうか」「疲れた」「バンドジャーナル(吹奏楽の専門雑誌)に書いてあった練習を試してみよう」といったことだ。
たわいない一言でも、当時の思い出が蘇る。それと同時に、吹奏楽のことを一日中考えて、試行錯誤していた日々がどれほど貴重だったかということも思い知る。
当時を語ることはできても、あのときの心境を書くことはできない。無意識のうちに、美化して、いい思い出にしてしまうだろう。思い出自動補正機能は、高性能に違いない。どうせ過去を振り返るのなら、否定よりも肯定した方がメンタルにもいいはずだからだ。
日記のメリットを考えてみた
日記は、基本的に書いた本人しか読まない。「読者」という強制力が働かず、書かなくても、誰も損をしない。
日記の役割は
①毎日の出来事や感想などを一日ごとに書き記した記録。日録。ダイアリー。「―をつける」「絵―」
②毎日の記録を書き記す帳面▽「日記帳」の略
出所:大修館書店『明鏡国語辞典』
のため、あくまで本人が価値を決める。
宿題でもなければ書かない。書くことが好きなら続くかもしれない。何かしらのメリットがなければ、面倒しかなさそうだ。
メリットとして考えられるのは、
・自分と向き合える
・過去を振り返られる
・書く力が鍛えられる
・小さな成功体験を積み重ねられる
といったところだろう。
こうやって羅列してみると、意外なほど効果がありそうな気がしてきた。
ブログにも通じるものがある
これらのメリットは、ブログにも通じるものがある。日常生活の気付き、仕事や本から得たノウハウを整理して文章にするのは、なかなか骨の折れる作業だ。労力がかかることに慣れれば、思考力やライティングスキルが磨かれる。
誰からも求められていない、やる必要のないことをコツコツ取り組むには、モチベーションに頼らず、習慣化する仕組みをつくる必要がある。私の場合、平日のすきま時間に「テーマを直前に決めて、1時間で記事1本1,200文字書く」ことにしている。今のところ、この方法が合っている。自分の行動だけでつくれる成功体験は、習慣につながりやすい。おかげさまでアクセス数も少しずつ増えてきた。
来年の今頃、ブログを読み返したとき、「1年前は頑張っていたな」と思うか、「あのときよりも、今はずっと良くなっているな」と実感できるか。後者であってほしいものである。
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