セミナーの「何でも聞いてください」は、「何でも」ではないと思う
「何でも聞いてください!」
セミナーで講演が終わった後、登壇者や司会が聴講者にこう語りかける。質問のハードルを下げたつもりかもしれないが、鵜呑みにしてはいけない。
遠慮なく質問しても、登壇者にとって答えにくかったり、的外れだったりして、微妙な空気が流れる。あの何とも言えない感じがとても苦手だ。
授業ではないのだから、評価なんて関係ない。気になること、知りたいことがあれば、堂々と質問したらいい。
それなのに「はあ? なんでそんなこと聞くの?」みたいな態度を露わにされる方が時々いる。そうなると質問した側が萎縮する。質問と回答がかみ合わず、知りたいことも聞けないままお礼を言って終わる。
何も悪いことはしていないはずなのに、「これなら質問するんじゃなかったな…」「何でも聞いてって言っただろ…」と後悔した気持ちが出てくる。
質問に問題があるのかもしれない
質問する側にも問題はある。
・すでに話した内容と重複している
・テーマと関係がない
・感想のような質問
・前置きが長く何が言いたいのか分からない
といったことだ。
池上彰さんから「いい質問です」と言われるような的を射た質問を目指す必要はない。
質問のための質問、目立つための質問は、意味のない自己アピールだ。
質問する側の姿勢として、講演を聴きながら、疑問を書きだすぐらいの熱心さはほしい。
私はできるだけそうしている。前述したことと矛盾しているようだが、質問することを前提に書き留めれば、考えのズレ、分からないことの明確化につながる。
それでも登壇者に「はあ?」といった表情をされるのは、きっと私の質問の仕方が悪いのだろう。
登壇者も、大事な時間を割いて、希少なノウハウや経験を発表してくれているのだ。そのことに対する感謝の気持ちを忘れてはならない。
質問することも、慣れと経験だ。黙って恥をかかないよりも、質問する積極性を失う損失の方が大きいと思う。
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