業界紙記者、Web面接を受ける

2021年10月31日

仕事柄なのか、質問することには慣れていますが、聞かれるのは滅法苦手です。

 

業界動向のような仕事に絡むことならまだしも、採用面接のように、自分の経歴を振り返りながら、「あなたの強みを教えてください」と言われたときには、言葉が一瞬詰まってしまいます。

そう痛感したのは、先日、転職活動で初めてWeb面接を受けたからです。

質問されたことをざっくり書くと

  • 保有しているスキル(技術・言語)
  • マネージメント能力
  • 転職理由(私の場合、1社目と2社目)
  • 人生の転機となったこと

といった内容でした。

面接の担当者から「用意しているポストに見合う素養が果たしてあるのか」との意図が言葉の端々から伝わってきました。(当たり前ですが…)

上手い言葉が出てこない

記者やライターが持っている「聴く」「書く」「撮る」「(物事を)捉える」「(チームを)まとめる」といったスキルは、資格や数値で表せるものではないので、過去に書いたモノを提出するか、エピソードで語るしかありません。

今回は後者のパターンでした。

一人で特集を6ページ書いたり、自分で企画を立ち上げてインドで単独取材したり、外部からの依頼でカタログに複数の業界動向をまとめたりしたりと、自分なりに伝えられる出来事はありました。

ただ、上手い言葉が出てこない。

最終的に出たのは

「締め切りに間に合うように、段取りよく予定を組みながら、取材が企画の趣旨から離れないようにするか。その点に注力していたので、最も苦労したエピソードはありません」

と、伝わるようで伝わらない感じの答えでした。

当たり前のように思っていた通常業務のなかにも貴重な経験だったり、スキルが磨けた機会があったはず。改めて、経歴に沿って自分を見つめ直すが必要になりそうです。

理想と現実のギャップ

アウトプットだけでなく、インプットも頑張ります

業界紙記者しかやったことがない私にとって、「記者以外の道はない」と思って、仕事に取り組んできました。

最近はそれが揺るぎつつあります。

情報発信が多様化し、新聞や雑誌に代表される既存の媒体の存在意義が問われているからです。歴史ある媒体が相次いで廃刊するなか、私が勤めている会社も安穏としていられる状態ではありません。

営利企業である以上、売上も確保する必要があります。それが時として、自分の理想と大きくかけ離れた仕事をしていることに、多少失望することがあります。

自分のなかで、まだ折り合いをつけられていますが、時間が解決してくれる問題ではないことに、ようやく気づいたところです。

目の前の仕事は懸命にやる。

ただ、過去に固執するあまり、方向性を修正することを怠らないようにしたいと思います。